Kazenosawa Museum

風の沢ミュージアム

2022年 企画展

Kazenosawa Museum

風の沢ミュージアム

2022年度企画展

混 思 考

陶芸作家 山田浩之 展

混 思 考

初めて栗原の土を踏んだのは宮城内陸地震の起きた2008年でした。その復興の象徴として始まった風の沢を舞台としたくりはら万葉祭が私の栗原の原体験となりました。文化と文化が交差するそして時代とともに様々な事象が起こるそれを全部丸めて一つにする。そんな混沌の縮図を見たような気がしました。
 大災害に何度も見舞われたり、またその逆に地殻変動の賜物でもある金などの鉱物資源に恵まれたり。その度に翻弄され、時代とともに様々な顔を見せてきた栗原、この地には人間の根幹といえる生きるということが溢れんばかりに見えてきます。山岳信仰の修験者が多かったとされる栗駒山は、当然のようにそこにそびえ立ちます。そして地すべりにより初めて地表に顔を見せたシルト状砂岩、その上にあった凝灰岩は300Mのサーフィンをしました。
 平泉時代の金、そして近代の鉛、亜鉛、そこで働く人、西から金を求めてやってきた人、アジアからの労働者も多くいました。栗駒の名前からの由来なのか馬の市も盛んにおこなわれました。山で、麓の町で今も途切れることなく続く事象には「混沌」という言葉が浮かんできます。
 人種のるつぼという言葉がよく使われますが、壺を一つの文化圏と考えるとその中に存在したものはやがて融合し一つの文化となるということだと思います。
 時代を超え古今東西の人、そして文化が混ざることでその中身は個性という形で現れてくるのでしょう。混ざり合うことで均衡がとれる状態「混沌」こそが健全な状態なのかもしれません。

2022.4.30(土)-10.2(日)

金・土・日・祝日のみ開館

11:00~17:00

一般800円(18歳未満無料)

~栗原焼き物化計画~

 今回の個展にあたり、栗原全体の土をさまざまな場所から採取しました。この地が何で出来ているのかそしてこの地は何で繋がっているのかを具体化するためです。
 菅原勇喜先生による栗原の伝説を読み、栗原の歴史そして人から人へ伝えられる物語と土地との関係を作品にしてみたいと思いました。
 例えば金成と言う地区には金売橘治と金鶏の物語がありました。
金成の地層をそのまま焼いて鶏を作っています。そして栗駒山は大きな地滑りで今まで地表に出ていなかったシルト状砂岩が露出しました、そのシルトはどんなものだろう、そんな興味とそれが繋いでいる地面から遥か古代の世界で起こった地殻変動、そして時の流れを想像しました。
 栗原の全ての土をまとめて一つにして焼いてみる栗原丸ごと焼きも作りました。
 焼き物と言う人類が最も古くから使っている化学、これによって人類は発展してきました。土を焼く、ただそれだけなのですが、その地面は人間の記憶の遥か昔を記憶しています。そして焼くという行為でその地面は新たな姿を見せます。地球が体験した温度で人工的に可能な温度、そして生命が存在する条件ではあり得ない温度、その中にさらしてみる事で土は姿を変えます。人の叡智をかけ離れた環境での変化です。それをみてみたいし、皆さんと共有してみたいと思っています。

山田 浩之  

 

Yamada Hiroyuki

1970年 兵庫県生まれ。
陶芸作家。
信楽ACT主宰。滋賀県文化奨励賞受賞。

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風の沢ミュージアム

宮城県栗原市一迫片子沢外の沢11

高速道路のご利用

東京方面から
東北自動車道
「築館」I.C.下車 (I.C.から約25分)

青森方面から
東北自動車道
「若柳金成」I.C.下車 (I.C.から約25分)

新幹線のご利用

東京・青森から
JR東北新幹線
「くりこま高原」駅下車 (駅からタクシーで、約30分)

バスのご利用

最寄りのバス停(往復乗車券を購入すると、お得です)
●「築館」仙台から60分/東日本急行 栗原市金成庁舎前線

仙台 さくら野仙台店前(32番)~築館
(バス停からタクシーで約25分)

〒987-2302
宮城県栗原市一迫片子沢外の沢11
Tel 0228-52-2811
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